行き着いた 其の最果てに、 xxx ろくでなし。 ろくなにんげんでないことぐらい しっていた。 ろくでなし。 ろくでなし。 「一体どうしたのですか」 怪訝な顔をして自分を覗き込む、穢れを知らない美しい少年に、曖昧な笑顔で返事を返す。 「んん? べっつに〜? 何でもないよ。ライドウは今日も綺麗だねぇ」 のらりくらりと翻して鳴海は云う。 其の態度にライドウはあからさまに不機嫌な表情になった。 「貴方は嘘をつくのが下手なんですから無理しない方がいいんじゃないですか」 「――――――――――――」 「判らないとでもお思いでしたか」 澄んだ瞳に貫かれる。錯覚。 「貴方が何を隠して微笑んでらっしゃるのかまでは流石に判りませんが」 淡々とライドウは呟く。まるで独り言のように何処へ向かっているのか不明瞭な言葉。 「隠していることすら隠そうとするのは気分が悪いんです」 嗚呼 こころが焦がれてゆくよ。 見掛けよりも細い身体を強く引き寄せ抱き締める。 「云わない」 「はい」 「云えない」 「はい」 「でも傍に居て欲しいんだ。お願い」 「最初からそう云えばよいのです」 少し吃驚した鳴海が顔を覗き込もうとすると、反してライドウは深く俯いてしまった。よく見ると耳がほんのりと紅に染まっている。 普段余程自分を押さえ込んでる彼が珍しく曝け出した。 多分其れは勘違いでも何でもなく、ただ鳴海… 自分の為だけなのだと気づいて嬉しくなる。クスクス笑いながら鳴海はますますライドウの身体を抱き締めて、其の白い頬に口唇を寄せた。 「ちょ、所長、調子に乗り過ぎですよ」 「いいじゃない。嬉しいんだから。もうライドウ大好き」 「気持ち悪いです所長」 「いいよもう何とでも云って。今すごく嬉しくて幸せだから何云われても許しちゃう」 ますます強く抱きしめてくる鳴海に、ライドウは呆れた溜息をひとつついた。 何を云っても無駄だ、とタカを括ったのだろう。 「まったく… しようのないひとですね。これが大人というものの在り方かと思うと落胆します」 「あはは」 思う存分暴言を吐こうと思ったライドウの言葉ひとつひとつは、しかし其れでも甘やかし以外の何でもなく、鳴海は笑った。 「そうだね、俺はろくでなしだから」 「――――――――――――」 「でもライドウがいるから、大丈夫、なんだよ」 言葉に詰まるライドウに、軽くキスを落として。 「卑怯な俺を赦してね」 もう逃れることなど出来ない小さく清らかな小鳥に、またしても 残酷な言葉を 吐く ろくでなし。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 超放置プレイすいません。 此れも一体いつ書いたのか記憶にありません。軽く自分の首を絞めたい。 20090112 戻 |