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泣けない貴方に(我慢しなくていいから) xxx黒木×須田 「我慢、してない?」 一瞬何を云われたのか判らずに、ただ黒木は須田を見詰めた。 彼は何を云っているのだろうか。 冗談かと思ったが、見詰めている彼の表情は至極真面目で、到底そうではないとすぐに判った。 しかしだからと云って言葉の真意が判ったかと云えば、矢張り判らないままだ。 「なあ黒木、本当に我慢してない?」 繰り返す須田に、黒木は言葉に詰まる。 黒木を見詰める須田の眼はやけに真っ直ぐで、射抜かれるような気分にすら なる。 「……… 黒木は、本当に、心を言葉にすることって少ないから」 チリ ・ 心の奥底が痛む。 黒木は須田から視線を外して俯く。 それは昔からよく云われた言葉だった。重ねて黒木は表情も僅かで、周囲とはうまく打ち溶け合えないこともしばしばだった。時折それがプラスになることもあったが、基本マイナスにしか成り得なかった。幼く若い時には思い悩んだこともあったが、今ではそれが自分だと思うまでには達観している。 だがしかし、それを敢えて彼に云われると、何故か酷く心が痛んだ。 「でも、黒木はさ、その分判りやすいんだよ」 云われた言葉に驚いて顔を上げると、彼の人柄をそのまま現したかのような優しい微笑を浮かべた須田がこちらを見ていた。 「なあ、俺には伝わってるから」 自分でも形容し難い感情が内部で渦巻いていることに気づく。 こんな気持ちは久し振りだ。 こんな気持ちをどうしたらいいのか判らないくらいに。 嗚呼、どうしたらいい、どうしたら 「黒木」 不意に頬に感じた温度に正気に返る。 しかし須田を見ている筈の視界は何故か霞んでぼやけ、黒木は一瞬混乱した。 「うん、このまま、泣いてもいいよ」 云われ、黒木は縋りつくように須田を抱き締めてただ、涙を流した。 ―――――――――――――――――――――――――――――― *なけばらくになるっていうでしょ、なけばいいよ。 以前に速水と黒木って泣きそうにないな… って思いまして(『きれいな涙』)、泣かせてみました(え…) ただ黒木は泣いても相手に抱きついて泣き顔は見せないんだろうなあ… 天邪鬼め… とか思いました。面と向かっては素直に泣いてくれなさそう。 こういう時ほど甘えてくれたら嬉しいと思うんだけどな、須田チョウは。 2012.01.31 戻 |