「お前らは、いいな」



「信頼し合っているというか、補い合ってるというか…いいコンビだよな、本当に」

云われた言葉は確かな賛辞だというのに、込み上げる苦しさは一体何なのか。
「だろう。黒木は自慢の相棒なんだ」
嬉しそうな須田の笑顔に素直に頷けない。
「俺、ほんと黒木と組めて良かったよ」
嗚呼、
喜びとないまぜになっているこの云い知れぬ感情は、何なのか。
嗚呼、
そんな風に笑わないで欲しい。どうしたらいいのか判らなくて混乱する。

「黒木」
呼ばれて我に返る。
「身体の具合でも悪いの?」
「あ、いえ」
「調子悪いなら云えよ? 無理は禁物だぜ」
笑いながら須田が黒木に手を伸ばした。
「熱はないみたい」
片手を自分の額に当てながら須田が少し安心した風に云う。
当てられた手は想像していたよりもずっとひんやりとしていて、荒れて混乱していた黒木の頭を癒すようだった。
「須田チョウの手、気持ち良いですね」
「そうかな、気持ち悪くないならいいけど」
そう云って離れそうになる手を思わず握った。案の定驚いた顔をして自分を覗き込む須田に、ほんの少し笑ってみせる。
「あともうちょっと、こうしていてもらえますか」
「黒木?」
「お願いします」
一瞬ぽかん・とした顔をして、しかしその後に、須田は笑った。仕方ないなあ。そんな須田の心の声が聞こえた気がした。





嗚呼愛しい。



自然と感じたその感情に、黒木はようやく答えを見つけた気分になった。





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*多分… ほんとの最初に書いた黒→須です。

ファイルみつけて呆然としました。
これ書いたこと、ほんと忘れてました。日付去年の6月ですよ!

2010.04.25